古美術商とは、書画や絵画、陶磁器、年代の古い家具などを売買する商売または商売人のことを指します。古美術というのは、美術品の中でも制作から100年以上経過したもののことです。古美術=アンティ―クという認識でよいでしょう。とはいえ、制作から100年未満のものでもアンティークと呼ばれていることもあり、明確な定義は存在しません。あいまいな表現になってしまいますが、一般的にアンティークとされている品物を売買しているのが古美術商であると考えられています。
ただし、古美術商についても明確な定義はありません。古美術の売買に必要な証明書や認定書も存在しないため、誰でも簡単に古美術商を名乗ることができるのです。古美術商だから安心して買取を依頼できるというわけではないので、信頼できる古美術の専門家を探し、品物の価値に見合った査定額で売ることが重要となります。
似ている商売に古物商があります。こちらは、一度使用されたものや使用目的で取引されたものを売買できる商売です。古物商と古美術商では、美術品や衣類、自動車、機械類などさまざまな分野の品物を売買できるか、美術品に限定して売買できるかという違いがあります。
しかし、古美術商では古物商の取引内容と被っている部分もあるため、古物商の許可が必要となる場合が少なくありません。特に、古美術商として店を経営したり、オークションで取引したりするのであれば古物商許可がないと違法行為とみなされます。そのため、古美術を買取してもらう際は、古物商許可を取得しているかどうか確認することが大切です。